少し前ですが、あるお客さんの商品を
機能性表示食品にするにあたり、
念のため、こちらで再度、
成分分析を食品分析センターへ
依頼をかけました。
単純に、お客さんの分析表が古かったので、
ちょっと気になったからです。
すると、その結果が、お客さんの
成分分析とかなり違っており、
重要な関与成分がほとんど入っていない
ことが分かりました。
一般健食は、そもそも、
効果を訴求する薬事法違反をしていなければ、
内容量への規制がないので、
そんな適当な(失礼)商品を売っていても、
薬事法違反になりません。
当然、景表法違反ですが、
買った消費者が、自ら成分分析を
するわけがないので、発覚しないだけです。
お客さんとしては、製造してくれた
OEMメーカーを信じていたわけですから、
ある意味裏切られた感じでしょう。
このような健食の事例も、
VW、東洋ゴム、旭化成の不祥事も、
程度の差はあれ、
企業のコンプライアンス(法令順守)は
どうあるべきか?
ということだと思います。
それは結局のところ、
「質の高いお客さまへの商品提供は
いかにあるべきか?」
という企業精神の実行こそが、
コンプラなんだと思います。
ひらたく言えば、
「サービス精神」ですね。
VWは、
アメリカの環境基準をクリアするのは、
ちょっとお金がかかるから、
お金のかからない不正ソフトでクリアしちゃおう
という姑息さ。
1100万台も売りながら、内部通報がなかった
というのが、さすが、ドイツ帝国!
コンプラはダメダメですが、
ガバナンス(統制)は完璧です。
東洋ゴムの電車用免振ゴム不正は、
社内のコンプラ研修を受けた社員からの
内部通報で発覚。
コンプラ研修の成果がさっそく出たわけですが、
この研修を受けなさいと社員に指示した上司は
そのデータ改ざんを知らなかったのでしょうか?
9/10の鬼怒川大洪水でも流れず
「へーベルハウスすごい!」と
海外までニュースになった旭化成。
http://francepresent.com/hebelhouse/
横浜のマンションの杭打ちを適当にやっていて、
マンションが傾いてきて、初めて発覚。
作業をしていた社員は、
計測器のプリンターがうまく動かなったから、
適当に書いたとか。
15年間も杭打ちしていたベテランだそうです。
おいおいです。
個人レベルの不正から、組織レベルの不正まで、
さまざまですが、
これらを防ぐには、どうしたいいでしょうか?
私は常々、「他人を信用しない」という
スタンスに立ちます。
(あくまで仕事関係だけですよ)
企業コンプラで大切なのは、
「性悪説」に立つことです。
日本人は、
「人は生まれながらに善人」という
「性善説」を好みますが、
企業経営では「性悪説」を取るべきです。
故意ではないにしても、
「人」「機械」は、間違いを起こすものです。
「彼氏とケンカしたから、食品にゴミ入れちゃおう」
「上司に遅刻を注意されたから、提出データ適当に書こう」
「計測器プリンターこわれちゃたから、手書きでいいや」
とか、そういうことは、常に、毎日、
起きるものだと思っているべきです。
研修でいくら「駄目ですよ」と言っても、
「そんなの分かってます」という話になります。
スピード違反はダメだけど、
誰も見てなければ、人は突っ走るものです。
ですから、企業の不祥事を防止するのは、
コンプラの研修だけではダメです。
セットで、第三者機関による抜き取り調査を
年1回行い、その結果を社内に公表すべきです。
いい結果が出れば、社外に公表してもいいかも
しれません。
さらに、クオリティーを確保している部署には、
特別ボーナスをあげてもいいと思います。
これは、健食、化粧品事業にもあてはまります。
健食の場合、ほとんどが、OEMメーカー
から納品されてきたものを、
そのまま物流倉庫に直送して、
巧みな広告で売りさばくという、
2~3人のベンチャー企業が多いです。
ほとんどのOEMメーカーさんは、
ちゃんとしていますが、
それでも、「性悪説」を取るべきです。
研修と抜き取り調査、
是非、今からでも始めてください。
あなたが幹部なら、自分のクビが
飛ぶ前に。
社長なら会社が傾く前に。
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