最近は、機能性表示食品に
野心的な届出が増えています。
たとえば、
エバーライフの「アイノウ」(B403)
https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc02/?recordSeq=41606030040102
2つの関与成分で、
別々の機能性をうたっています。
今までは、
同じベクトルの訴求軸、
たとえば、目に関する2つの機能、
目の疲労軽減、ピント調節機能維持→アントシアニン
目のコントラスト感度維持→ルテイン
を2つの関与成分と2つのSRで
うたうものはありましたが、
このアイノウは、
ビルベリー由来アントシアニン
→目のピント調節機能維持
イチョウ葉
→脳の記憶を維持
2つの別々のベクトルの
機能性訴求に成功しています。
噂によると、受理までに
1年半かかったそうです。
さもありなん。
どうしてそんなに時間がかかるのか
というと…
1、関与成分の特定化
2、18-19歳の未成年問題
3、時間のかかる審査
(プレミアム・フライデーも満喫?)
4、表示見本の健康増進法チェック
が障害となるからです。
1、関与成分の特定化
「アイノウ」の原材料を見ると、
ビルベリーエキス以外に、
ベリー混合エキスが入っています。
アントシアニンは、
実は1つ成分ではありません。
ビルベリーに多く含まれる
アントシアニンですが、
ビルベリー以外の植物にも含まれており、
天然で400種類以上が存在している
と言われています。
ビルベリーでは、
デルフィジン -3-グルコシド
シアジニン-3-グルコシド
など15種類のアントシアニンが含まれます。
これらは、他のベリーにも含まれるため、
最終製品の成分分析で、
ビルベリーだけのアントシアニン量を
定量することは不可能です。
ではどうすればいいか?
これには、技が必要です。
3/18(土)の養成講座では教えます。
養成講座 5回目(3/18):
関与成分別成分分析法について/様式3の届出作業
(都内、参加費:62,400円)
あるいは、個別コンサルをご相談ください。
2、18-19歳の未成年問題
海外論文では、
18歳以上を成人として臨床しているものがあり、
これらをSRの根拠論文として採用していると
「本制度は、未成年を対象とした制度ではない」
という不備指摘が飛んできます。
で、18-19歳を外すと、
中高年だけの論文だけになってしまうので、
今度は、
「すべての人に有効か?その根拠を述べよ」
と問われます。
行くも地獄、帰るも地獄。
対象者を「中高年」としないとダメとなります。
でも、今年中に民法改正され、
18歳以上が成人となれば、
この不毛なやりとりはなくなります。
3、時間のかかる審査
今や、一度出すと、不備指摘が返って
くるのは、3か月以上かかります。
プレミアム・フライデーのスタート、
審査する消費者庁も早上がりになると
かなり迷惑な話です。
先の2にも関係しますが、
新しく加わった審査官が、
様式VのSRをかなり細かく
チェックするようになりました。
今まで、スルーしていた
様式V-11の効果指標ごとの
有意差もちゃんと見ています。
群内だけではダメで、
群間で有意差が出ていないと
不備指摘を受けます。
これも、養成講座では、
かっちり説明しています。
4、表示見本の健康増進法チェック
商品名やパッケージのデザインも
かなり細かい指摘を受けるように
なりました。
「信頼のブランド」と書くと、
「その合理的な根拠は?」と聞かれ、
「高速○○」と書いてあると、
短期間で効果が出ると誤認させるとか、
「ダイエッター○○」と書いてあると、
ダイエットは本制度の対象でないと言われたり、
食後血糖値抑制サプリで、
下向き矢印がやたらデザインされていると、
「効果を誇大表現している」と言われたり、
まあ、大変です。
ですので、なるべく、
無難なデザインでいかないとダメです。
3月の機能性表示食品 届出者養成講座は、
関与成分とその定量化の話になります。
リアル講座への参加も可能です。
また、2月に行った、
臨床試験、SR、様式Vの記入方法は、
動画配信でご覧いただけます。
是非、勉強してみてください。
https://www.rctjapan.org/
コメントをお書きください