先日(12/19)、
機能性表示食品のSRセミナーを
大阪で開催してきました。
たくさんのご参加、
ありがとうございました。
かなり専門的なセミナーで、
やってるほうも大変でしたw
その中で、
ルテインで届出受理された
フジワラ化学さんのSRに関し、
資料が中途半端だったので、
補足説明します。
https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc02/?recordSeq=41709080080305
ルテイン 12mg
機能性は、
「黄斑色素光学密度を増やし、
ブルーライトの刺激から目を保護し、
コントラスト感度を改善する」
黄斑色素量の増加と
コントラスト改善の2機能です。
使っているデータベースは、
PubMed(n=67)、医中誌(n=2)
2つだけ。
レビュワーは、自社社員2名。
A:医学系研究科修了、修士。
本文執筆、論文検索
B:農学系研究科修了、修士。
論文検索
ともに、修士。
博士入れた3名でなくても
受理されるんですね。
かなり、省エネ型SR。
採用論文は、3報。
コントラストの根拠で、2報
Hammond(2014) RCT
Ma (2009) RCT
黄斑色素密度の根拠で、2報
Hammond(2014) RCT
Tanito(2012) 前向きランダム化二重盲検
V-4では、
「この商品にはルテインが
12mg 含まれており、
採用した論文のルテイン含有量は
12mg 以下としている。」
と書かれています。
つまり、最初から20mgで試験をした
論文を除外しているようです。
学術研究としては微妙ですが、
面白いやり方です。
さらに、省エネ型。
12mgを担保しているので、
16mgでも、20mgでも使えるSRです。
ここで、注目なのは、
黄斑色素密度を増やす
根拠論文の2報。
DSM&ケミンのSRで採用されている
論文は1報ですが、
その論文が、Hammond論文。
Hammondの論文では、RCTで、
ルテイン10 mg+ゼアキサンチン2 mg
のサプリを1年間摂取
ルテイン+ゼアキサンチン群 53名、
プラセボ群 56名
V-11のコメントがすごい!
「後値の数値については明確な記載
はなかったが、論文中に記載されて
いた表を基に数値を算出した。
いずれの離心角においても黄斑色素光
学密度に有意な上昇が確認された。」
普通、「NA」とか、
「グラフから有意差あり」と
書くところ、
グラフを定規などで測って、
数値を割り出したんですね!
超アナログですが、この手があったか!
と目からウロコ。
もうひとつ、
割りと除外論文にしてしまう
Tanitoの論文では、
ルテイン10mg+ゼアキサンチン0.08mg、
ゼアキサンチン10mg
の2群に分け、3ヶ月摂取。
ルテイン群11名、
ゼアキサンチン群11名
V-11のコメントは、
「ルテイン摂取群は、摂取後1.3ヶ月で
ベースラインから20%超増加した。
強度近視がない場合、共鳴ラマン
分光光度法による測定で有意差あり。
なお、この試験はプラセボ
と比較をしていないので介入群(前)
にベースラインの数値を記載し、
介入群(後)に試験後の数値を
記載している。」
と書かれています。
そうなんです。
このTanitoの論文は、
プラセボ対象でないので、
たいていの場合、本文を読まずに
不採用にしてしまいます。
試験デザインは、
V-7に、RCT、
V-11は、前向きランダム化二重盲検
という書かれ方をしています。
原著のアブストだけを読む限りでは、
ルテインだけでなく、
ゼアキサンチン単独でも、
色素量が20%以上増えているらしく、
ルテイン群とゼアキサンチン群での
群間有意差が出なかったのかと思われます。
いずれにしても、
こういう感じのSRでも、
受理されているので、
工夫次第で、
有効性の下限値を下げる
ことが可能となります。
ちょっと、もやもやした
書き方でごめんなさい。